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リオネッロ・マルケージ

5 つのDOCGエリアすべてでサンジョヴェーゼを栽培する「サンジョヴェーゼの匠」

イタリア最大のワイン産地トスカーナ。珠玉のワイン溢れるこの州において 5 つの代表的なDOCG、すなわち「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」「キャンティ・クラッシコ」「キャンティ・スーペリオーレ」「ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ」「モレッリーノ・ディ・スカンサーノ」にてサンジョヴェーゼを栽培している生産者がリオネッロ・マルケージです(一部日本未輸入)。

ミラノ出身の実業家リオネッロ・マルケージが長年の夢だったトスカーナでのワイン造りを実現してから 30 年。現在はモンタルチーノ、カステルヌオーヴォ・ベラルデンガとマリアーノの 3 カ所にそれぞれ「コルディソーレ」「カステッロ・ディ・モナステロ」「ポッジョ・アッレ・スゲーレ」 という3つの醸造所を構えています。
造っている全てのワインにサンジョヴェーゼを使用するというサンジョヴェーゼへの強いこだわりを持ち、前述の5つのDOCG ワインをすべて造る唯一の生産者となっています。2013 年からは娘のクリスティーナがワイナリー運営の中心となり、彼女が好む「クリーンなワイン」造りへと少しずつ変革を始めています。

「コルディソーレ」 ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ

ユネスコ世界遺産に登録されたヴァル・ドルチャ(オルチャ渓谷)にある丘、モンタルチーノ。この小さな土地だけで栽培されているブドウ品種サンジョヴェーゼ・グロッソ、別名ブルネッロから造られるワインは、今やイタリアでも最高のワインとして知られるようになりました。
モンタルチーノは雨が少なく乾燥がち。温暖ではありますが冬には雪が降ることもあります。丘陵地帯の中腹にあたる DOCG エリアは特に昼夜の寒暖差が大きく、また霧や遅霜の被害にも遭いづらい地形で、サンジョヴェーゼ種の栽培には最適だと考えられています。

マルケージのワイナリーのなかでは一番小規模ながら、最も重要なのがこのモンタルチーノにある「コルディソーレ」 です。ここで造られるワインこそが、マルケージのワインに対する考え、哲学を具現化したワインなのです。
コルディソーレの 6ha の畑は、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ DOCG エリア東側の海抜 400m、丘陵地帯中腹に南西向きにまるで円形競技場のような形に広がっています。
石灰粘土質とアルベレーゼの土壌にはもちろんサンジョヴェーゼ・グロッソだけが植えられています。4,500 株 /ha の植栽で、仕立てはコルドン式を採用しています。非常に繊細な品種なので、収穫は熟練の職人たちによって慎重に手摘みで行われます。

「カステッロ・ディ・モナステロ」 キャンティ・クラッシコ

トスカーナワインの代名詞ともいえる 「キャンティ・クラッシコ」。キャンティ DOCG から独立する形で独自呼称を名乗るようになった DOCG で、1970 年代に始まる「イタリアワイン・ルネサンス」の中心的役割を果たしたイタリアきっての銘醸地です。エリアは、北はフィレンツェ郊外から南はシエナまで広がり、丘陵地帯でブドウが栽培されています。シエナ近郊のカステルヌオーヴォ・ベラルデンガにあるマルケージ最大の醸造所「カステッロ・ディ・モナステロ」。醸造所のある場所はちょうど「クレテ・セネージ」と呼ばれる美しい丘陵地帯の入り口にあたります。
マルケージはこのキャンティ・クラッシコ DOCG エリアの最南端にある
カステルヌオーヴォ・ベラルデンガと、エリア中央部にある ラッダ・イン・キャンティ を結ぶ丘陵地帯(海抜 300-500m)に 64 ヘクタールの畑を所有しています。このエリアの年間降水量は700~800mm と少なく、冬の平均気温は 4~5℃で夏は最高気温 35℃まで上がります。昼夜の寒暖差も激しく、まさにワイン造りに理想的な気候と考えられています。
土壌は主に
「alberese(アルベレーゼ)」と呼ばれる石灰土。そこに「galestro(ガレストロ)」と呼ばれる泥灰岩や砂岩が混ざる土壌もあります。カステルヌォーヴォの畑では大きな石が多くなり、ラッダ・イン・キャンティに近づくにつれ柔らかな土へと変化していきます。

カステッロ・ディ・モナステロのキャンティ・クラッシコが造られるのは、 アルベレーゼ土壌とガレストロ土壌が混ざる「ポッジョ・ペトロイオ」 と名付けられた 12 ヘクタールの畑。海抜は約 400m、3,500~4,500 株 /ha の植栽で、仕立てはコルドン式を採用しています。
醸造所には最新のステンレスタンクが導入され、発酵はすべてこのタンクで行います。地下にあるセラーでは 225Lと 300Lのオーク樽を使って熟成。3年ごとに新しい樽に変えていきます。